漆塗りにおいて、下地はすべての基礎です。
その役割は、目止め、補強、そして美しいシルエットの形成にあります。
一般流通している仏壇は最近はほぼ石油由来の下地が多いようですが、かつて下地はすべて天然素材で作られており、主に「膠(にかわ)」を用いるものと、「漆」を用いるものの二種に分かれます。
膠の下地は安価で作業性に優れ、多くの仏壇に用いられてきました。
しかし水溶性であるため、長い年月の中で崩れやすいという弱点があります。
一方、漆による下地――堅地(かたじ)は、硬化後、水はもちろん、酸やアルカリ、溶剤にも強い耐性を持ちます。
輪島塗が高く評価されてきた背景にも、この堅地の存在があります。
その名の通り、堅地は非常に堅牢です。
その昔の話、会津塗は手頃な漆器として広まりましたが、膠下地による耐久性の差があったとも言われています。
当店では、すべての製品にこの堅地を用いております。
漆を使用するため材料費は高く、練り上げる工程にも手間がかかります。
それでもなお、丈夫さと仕上がりの美しさを追求したとき、堅地に勝るものはないと考えています。
現在、すべての製品に堅地を用いている仏壇店は、全国でも極めて稀です。
私どもは、ご依頼くださる方の満足を何よりも大切にしています。
膠下地の傷みの様子↓



こちらが堅地です。もう五月ということで、祭礼関連の漆塗り最盛期を迎えています。
これで8キロ。二時間掛け、一気に練り上げます。

