漆塗り 仏壇

変わらずに愚直に。

 

今年度は少しゆっくりめのご依頼ペースで、追われることなく作業を進めさせていただいております。

とはいえ、そうなると本業以外の頼まれごとが自ずと増え、トータルで見ると結局何かと慌しい毎日です。

ゆっくりめ、と言いますと、昨今お仏壇のご依頼が少し間が開いています。
世の中のあらゆるモノの値段が高騰している中、仏壇を触るとなると傷みや修復の程度にもよるとはいえ、それなりのお代となり、おいそれと頼んでいただけないのが理由の大きなところでしょうか。

 

一方で、ずっと気になっていることがあります。

スナガワはもう仏壇はやっていない

と、結構思われているようなんです。

(そう営業トークで話される大手仏壇店もあると聞きました。それはとても悲しいです。)

お陰様で、祭り関連の漆塗りにおいてありがたくもご愛顧をいただき、それが手伝ってか、たまに
「スナガワは屋台専門や」とのお声も聞いたりいたします。

私に代替わりした折に、屋号を砂川仏檀店から砂川漆工芸に一本化したのも、それらを助長しているようでもあります。

はっきり申しまして、砂川はもちろん仏壇もやっております。と言いますか、事業形態は明治の創業以来変わっておりません。

 

仏壇離れが加速している今の時代ですが、それでも代々手を合わされてきたお仏壇を守っていきたいという御仁は少なくないと思います。そんな皆様が、せっかくきれいにするなら昔ながらの漆塗りで、と仰せの時、お役に立てる私どもで在り続けたいと思っています。

 

先般、とある仏壇修復のご依頼を受け、お納めさせていただきました。作業前と作業後の写真を幾つかご紹介いたします。

仏壇外周り正面、作業前

仏壇外周り正面、作業後

扉等、作業前

扉等、作業後

内陣正面、作業前

内陣正面、作業後(お納め)

内陣上部、作業前

内陣上部、作業後

内陣下部、作業前

内陣下部、作業後

 

お納め後、アンケートをお願いしたところ、ありがたいお言葉を頂戴いたしました。

 

過分なお言葉をいただき恐縮しました。

ひとつだけ胸を張って言えるのは、

誠意をもって我々自身が実際に手を動かし伝統の漆塗りを施しています

ということです。

 

こんな修復の在り方を望まれる方にご縁をいただけましたら、この上ない喜びです。

時代には逆行するような愚直な職人集団ですが、今後ともどうぞ宜しくお願い申し上げます。

 

#漆
#仏壇