つれづれるままに

日記の部屋 (〜12/12)
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2009年12月12日(土)
京都、ひと・もの巡り2
(11月4日の日記のつづき)

 錦市場でお昼をご馳走になった後、とある塗師さんの工房を訪ねました。伝統の工法もされる中、新たな技術的取り組みもされている御方で、短い時間とはいえ得たことは多く、とても刺激になりました。
電話を差し上げてからのお伺いといいつつほとんど突然のお邪魔。にもかかわらず温かく迎えてくださった上、そもそもこちらは同業です。
その懐の深さとともにこの御方のお人柄に感動しました。

そんな風に私も生きたい。

理想は高く、頭(こうべ)は低く、と
また再確認です。


私も職人の端くれ、長く御手を止めてはいけないと程々に腰を上げその工房を失礼し、時計に目をやるとまだ16時前。
おもいつきでもう一箇所、西本願寺さんに参りました。


今回が初めての拝観でした、のでまずその威容なまでの大スケールにただただ驚くばかり。
こちらは本堂(阿弥陀堂)より大きいという西本願寺最大の建造物、国の重要文化財「御影堂」です。
正面の幅62メートル、これはあの東大寺大仏殿を凌ぐ数字です。1636年建立(こんりゅう)。

画像ではいまひとつ大きさが伝わらないとおもいますが、

こちら、

その廊下といいますか浜縁。とてつもない大きさに圧倒されます。


 聞けば、あまり見られない様式として、この御影堂には軒下にも周囲ぐるりと柱が並んでいます。
こちらはその上部の枡組み、かなり複雑に入り組んでいます。
月並みに言えば大工さんってやはり凄い。凄いとしか言いようがないです。もっと大きく捉えれば、おぼこいこと言いますがこういうものに触れたとき私はいつも、人間って凄いなとおもってしまいます。




こちらはとある門の扉で、見事な彫刻がまた時間を忘れさせます。 (さいご↓に拡大画像へのリンクあり)



その金具。当たり前と怒られそうですがこの距離でも「良い物」感がプンプンしています。 そして近づくと、


なんとすっきりとした仕上げ、、見ていて飽きません。


門の柱に付随する金具。
バランスというかなんでしょう、どこがどうとは表現できませんが格好良いです。


鋳物なのか打ち出しているのか、それすら分かっていません。その柱下部にはご覧の見事な龍がさりげなくあしらわれています。大きなものではないのにおもわず目が止まってしまいました。

「日暮らし門」とまでは言いませんがこの門だけで1時間くらいは眺めていられそうにおもう造りです。


帰ってから用件が待っていたためそうもいかず西本願寺をあとにしました、16:28。

出てすぐの堀は箱掘。水が張ると見えなくなる堀底にも石が打たれています。 うーむ。






御影門の、通りを隔てて正面には風情のある京町家の商家の一角があります。うちもこんな店構えにしたい、と想ってはいるのですが・・。


 かくしてとても有意義な一日京都研修は終わりました。
永く伝わるもの(伝わってきたもの)、その地方に根付いている文化・気風・風情、なにより手で造られたもののパワー、手で造る人自身のエネルギー、それらに触れられたことは、甚だ濃い、まこと価値の大きなことでした。

そして帰路はまた、日本の誇る高速鉄道で速く快適に。



 日本万歳 !!!

拡大画像


2009年12月9日(水)
でどこ
よく政府の台所事情を示すときに「一般家庭で言いますと、これだけの収入の一家が・・、」って表現で説明されているのをたまにテレビで見ますけれど、
その、収入と支出と借金、の金額バランスのイメージは湧く一方、
決定的な差として突っ込みを入れたくなるのは、
「出処」、じゃないでしょうか。

つまり借金(国債発行)を決めるところと負担するところが違います。政府が決めて、国民が将来負担する。
家庭では、借金する人と返す人が違うってほぼ有り得ない。

もちろん、その「政府」は民主主義の下決められているとは言いつつ、
正直センセイ諸氏が’借金の実感’を伴っての判断はされていないように、私なんかはどうにも感じてしまいます。

歳入を超える国債発行?!、、

もう飲んでなきゃやってられない!、ってなって結果こんなことになるわけです。

うそですよ。
単なる「バカ騒ぎ後」です。

落書き画像が、メールを沢山頂くほど受けていただいたみたいなのでその日のもう一枚、
一旦寝たらなにをされても起きられない私。
悪友がご丁寧に私のカメラでいっぱい撮映までしてくれています。

これをご覧の未成年の皆さんはくれぐれもこんなオトナにはならないようにして下さいね。
お酒は不思議な飲み物デス。

よく働き、時には息抜き、この荒れ世を生き抜こう。


2009年12月7日(月)
化学変化
 気の置けない友
  +
 酒
  +
 良い時間
  ‖



 たまにはこんな夜も必要です。
 充電完了。


2009年12月2日(水)
実は 「気」 だけ、、
祭りがおわりちょっと一息、となっていないこの頃、
なかなか時間に余裕がありません。
師走、塗師でも走り回っています。 が、全然前には進んでいないようにもおもいます。

漆塗り作業をしているときは集中できるもののその他の仕事や用件を進めているとき、合間合間、は
なにかふわふわ気持ちが落ち着きません。

今しなければいけないこと、
今したほうがいいこと、
急ぐけれど明日でもいいこと、
今しなくてもいいこと、  を整理して。

至極当たり前のことですがこれに則っていない行動もついしてしまっているものです。

心を落ち着けて、気が急けても状況はなんら変わらないことを言い聞かせつつ、でも走り回っています。

泰然、沈着、自若、
ああいつの日か。















 職場の様子。
いろんなご用命を賜ってとても有り難く、感謝しております。


2009年11月25日(水)
ひめしん100周年記念
「地域発信フェスティバル」
 11月21日土曜日、姫路武道館にて表題のイベントがあり近隣の企業240社が各種展示や販売ブースが出されました。
当店もその一角、伝統工芸コーナーにお仏檀を展示させて頂きました。お仏檀を他のお店のものと並んで展示するのはこのたびが初めてのことでした。

 当日の様子をご紹介します。


 お越しの方々の入り口からいうともっとも奥の列に伝統工芸ブースが設定されていました。にもかかわらず上画像のように大変多くの方が足を止めてくださってとても光栄におもいます。

このブース(列)にはどんな出展があったかといいますと、姫路独楽・姫路張子・木工芸・緞通・陶芸・石細工・書写塗りなどなど。
竹内錺金具さんや明珍火箸さんも出されていました。



仏檀の並ぶ前では人だかりが、、



浜屋さんによる「金箔押し体験」です。
お子さんたちが慣れない手つきながらとても集中してされていました。陶器の置物に金箔を置いていくというもので、出来上がったものは持ち帰られるとあってみんな笑顔、満足そうでした。


ここで当店が出展させて頂いたお仏檀をすこし詳しくご紹介します。
18号(板内が一尺八寸)の法華のお仏檀です。




 須弥壇から天井。
 オーソドックスながら本山様の宮殿がすっきりとした印象です。
屋根・柱・各種彫刻をつや有りの金箔とし、向板・脇板(周りの壁面)をつや消しの金箔とすることでメリハリのある仕上げとしています。
同じ理由で天井のぐるりもつやの有無に趣向を凝らしています。

すべて、天然漆塗りの上に「漆による金箔押し」によって成せるものです。

須弥壇上面は半つやで、黒漆の塗り立て(塗りっぱなし、花塗り)です。
朱漆塗りの勾欄が引き締めます。



 須弥壇から下段。
 蒔絵のところ(下段)は黒漆蝋色塗り(研ぎ出し磨き上げ)としています。

法華の「華」にちなみ、この宗派は赤系統が好んで使われます。このたびは通常より弁柄漆の明度を上げより明るい印象になるようにしました。障子も含めて全て蝋色仕上げ。


 さて当店では全体にわたっての金粉仕上げはご希望があればお応えしますが、こちらからお奨めはしていません。
金粉(粉溜め:ふんだめ)は落ち着いて上品、ともいえる反面、ともするとぼんやり暗い印象になりがちにおもいます。

 一方、金箔は金粉に較べて手間・技術とも必要です。
うまく言えませんが、けれどご覧のように’パッと’します。

ここは好みの分かれるところです。


当店は、

明るい・輝いている・晴れやか・すっきり、

とかが好きなんです。

わぁきれい、とおもわず手を合わせるようなお仏檀を造れればとおもっています。

 外寸、幅71×奥行き71×高さ171 (cm)。

 パテ・スプレーなどの化学材料は一切使わず、

下地から上塗りまですべて天然漆を使用しています。
下地の研ぎ工程には電動工具は使わず手作業の水研ぎ。
中塗り上塗りは日本産研出黒漆塗り、木地・宮殿・彫刻・蒔絵・彩色・金具ももちろんすべて手造り。

 参考価格は4,800,000円です。




 16時になり閉会。
軽トラに積み込んだ折には赤みだした西空が映りこんでいました。 16:39。


 お立ち寄り下さいました皆様、誠に有り難うございました。

 拡大画像での詳細記事はこちらです。


2009年11月20日(金)
搬入と準備

 あすの展示に向け夕方に兵庫県立武道館に搬入に行ってきました。
伝統工芸のブース(列)ではもう最後のほうの搬入で、ほとんどの方はもう終えていらっしゃいました。
そのせいもあって、少しの時間とはいえ先に見学できました。


 さて仏檀の並んでいる前では「金箔体験コーナー」が設置されるようで、わたしどもの仏檀を間近でじっくり見て頂けるかどうかは明日実際蓋を開けてみないと分かりませんが、
とはいえすこし離れた位置からでも、いつも「〜」の一つ覚えみたいに並べている御託の一端は感じていただけるようにおもいます。

 あと仏檀の戸を半分閉めているかもしれません。
普通仏壇の展示では戸も障子も開いていますが、すこしスペースに余裕がなくお隣のお仏壇とどうやら重なってしまいそうなのです。
出展を後からお願いしたこちらが遠慮するのが当たり前なのと、逆に戸の表(外側)も見て頂けることにもなるので、変わった展示形式になろうかとおもいます。


 帰ってきてからは説明文のプレート作りの続きです。わざわざ発注できるわけないので得意の自作です。



 それでは日付もとっくに変わってしまっているのでこのへんで。
 みなさまのお越しをお待ちしております。


2009年11月19日(木)
地域発信フェスティバル


 表題のイベントがあさって土曜日、姫路の手柄にある武道館で催されます。240の企業が各種展示や販売をするのですが当店もその一角、伝統工芸コーナーに仏檀を展示させていただきます。

かねてより作業を進めていた総天然漆塗り浄土真宗のお仏檀を、とおもっていましたところ仕上がりを優先するあまり残念ながら間に合わなくなってしまいました。

 今日の画像。
最終段階の蝋色磨きには入っていますがまだ一回目の磨き。通常三回磨き上げるのと、その後の金箔押しもあるので完全にアウトです。




 蝋色(ろいろ)とは、上塗りの塗り面を天然の炭で一旦研ぎ下ろしさらに細かい炭で研ぎ、そこに漆を薄く延ばし固く締まってから手のひら・指先でツヤ上げをするという加飾です。

 天然漆による下地、砥石を使った下地研ぎ(もちろん手作業)、日本産黒漆の中塗り上塗り、そしてこの蝋色によってまさに鏡面に仕上がります。



 ご覧のとおりです。


 まだ一回目の磨きにもかかわらず色も’良い黒味’を得ました。


 それで、このお仏檀が間に合わなかったとはいえ展示参加をキャンセルするわけではありません。
 こちらの、

先に仕上がっているお仏檀を展示させていただきます。

わたしも現場におりますのでもしよかったらお立ち寄りください。普段当サイトでもいろいろ申していますが実際に見ていただくことに勝ることはありません。

スペースに余裕があれば以前イーグレの祭りのイベントで展示した松本義廣師の正角・枡組みも置かせてもらおうとおもっています。
また、大西一生師が彫刻の実演をされるとも聞いております。

 多数の皆様にお会いできるのを楽しみに、ご来場をお待ち申し上げております。


2009年11月13日(金)
復活

 ご心配をおかけしました。もう完全復活しています。あんまり調子良いのできょうは5時起きで町内をお仏檀を背負ってうさぎ跳びしてきました。

さて復活といいますと錺(かざり)金具の谷口秀作師がブログを復活されています。おめでとうございます。


 師から、「コレも紹介しといてー」と頼まれていたのが上のアクセサリー。直径2センチでずっしり重量感もあります。
もちろん完全手造り。

 このたび金具をされた西山田の皆様のためにお造りになったそうです。ご希望の方が60人以上いらっしゃったとか。


 すっきりとしながら、かつ師の造られる温かみのある金具の雰囲気がそのまま反映されているような存在感です。
ご希望の図柄が可能だそうです。

ひとつ2400円。安くはありませんがプレスでポンッ、でもありません。手間でいうともっとかかっているとは師の弁。そこも師の心意気でしょうか。

 ご興味のある方は直接お問い合わせください。

 錺金具師なんです(ブログ)

 谷口秀作師:0791-62-2316



 こちらはもっと彫りの深いバージョン。


うちの家紋「左二つ巴」とともに裏には「塗り」ロゴをあしらってくださっています。こちらは丸一日でもできないそうです。
 谷口さんありがとうございました。大事に使わせていただきます。

 そういえば以前もアクセサリーをご紹介したことがありました。手造りなので結局なんでも可能なんだとおもいます。
過去ページ、12月17日分)
お気軽にお聞きになってみてください。とても良いお人柄で相談に乗ってくださるとおもいます。



2009年11月9日(月)
新型??

 体調には留意していたもののその隙を突いて流行り病に引っ掛かり、3日も職場を離れてしまいました。インフルエンザ、新旧はどっちでもいいですが頭痛が激しかったです。おもわず救急車呼ぼうか本気で考えました。といってもそもそも朦朧としている意識下でのことですが。

 完璧な予防は無理ですが、どなた様もどうか用心はなさってください。「退き」は早めでしたが辛さのピーク(ボトム?)は度を越していました。

 3日目の今日はもったいないので自宅療養しながら滞っていたPCでの仕事や用件を大きく進めました。ずうっと気になっていたのですこし気が楽になりました。
その流れで久々の記事UPしています。→こちら

記事にしたいことがたくさん待っています。ほとんどそれに時間を取れないのがつらいです。今回の記事も春のお納めのものです。



こちらは先日仕事で伺った淡路の海岸線。
こんな天気みたいに早くさっぱり快気してまたがんばります。


2009年11月4日(水)
京都、ひと・もの巡り1

先週末、京都はみやこめっせにおいて「全国伝統的工芸品まつり」という催しがあり、また見聞を広めるために行ってきました。

全国の手づくり、「手で造り出されたもの」が一堂に会するとなると数日前から近づくに連れ、わくわくしておりました。ここ五年ほどはもうすっかり人の手で為された物にやられております。


さて秋の京都の混雑を鑑み、電車で行きました。
一年に一度乗るか乗らないかの日本が誇る世界最高水準の高速鉄道は快適に、疲れなど固より距離すら感じさせないまま、それは滑るように古都に我々を届けてくれました。
新幹線、これもまた手造りの領域も大いに残る、さまざまな技術・想いの結晶。のっけから「ものづくり」に含浸し気持ちの良い出発ちとなりました。


10時半には京都駅に着き、地下鉄を乗り継ぎます。みやこめっせ(旧京都勧業会館)の最寄の駅、東西線東山駅を目指します。




広告も雄弁、ココハ京都ダ!と目を楽しませてくれます。




東山駅の2番出口を出、すこし色付き端の広葉樹のもと北に15分ほど歩いたら、着きました。


こんどは3Dの舞妓さんがお出迎えしてくださっていました。


逸る気を落ち着け中に入り、
撮影はいつものように遠慮しましたが、’展’なので肉眼での心(記憶?)の撮影のほうはまったく遠慮なくさせていただきました。きっと一部の展示の関係者、つまりは同業のところなんですが、いつまで見るねんとおもっていらっしゃったとおもいます。よく勉強させて頂きました。

ちなみに値段には正直驚きました。
最初この仕様でこの値は安いなあ、すごい、とおもっていたら0一個見間違っていました。細かい違いはもちろんあれど我々の造る同等品の約倍の値札。これについてはいろんな見方があります。



かなりの時間の’その’見学のあとは隈なく会場を廻りました。

箪笥・錫製品・ソロバン・染物・織物・和弓・人形・欄間彫刻・オーダーの自転車のフレームビルダー・象嵌細工・寄せ木細工・陶器・切子・指物等々、、ありとあらゆる人の手が育てた逸品たちに、気づけば汗ばんでいました。


パソコン・携帯・テレビ・ゲームなど、電子信号によって’再生されたもの’が溢れているいまの時代、実際に触れられるもの、しかもそれが手造りとなると、都度都度に刹那に流れていく「留まらない感覚」とはまったく違う「力(強さ)」と「ベクトル」で脳に、体に、感じ入ってきます。ベクトルというと一方向を連想させますが正しくは、放射状。わたしはそう感じました。
それらの周りがぐるりと暖かい。

この日に’会った’物や人は、斯くしてわたしの中に心地よく留まったのです。





さて、みやこめっせをあとにし、少しの疲労と高揚感で羽織っていたシャツを脱ぎ、タクシーを止めて向かったのは四条寺町。
母方の叔父がロフトマンという店で京都の洋装文化の一翼を担っています。

http://www.loftman.co.jp/


寺町だけで現在は4店舗、前は確か2つだった、とおもっていたからまたびっくり。

その中のひとつのお店の奥には隠れ家ならぬ隠れ部屋のように小さなカフェがあります。値段と旨さが合っていない美味しいコーヒーをいただけます。見つけた喜びも感じられること請け合いです。


それらのお店、良いものを扱ってるから愛されているのはもちろんですが、
’その店で買う’という行為も、お客さんはきっと買っていらっしゃるんでしょうね。
スタッフの皆さんを含めた店の雰囲気は掛け値なしにいつも本当に素晴らしい。そして、だからさらに望まれてずっと続いて行かれる。


村井修平さん、いつも叱咤激励ありがとうございます。修平さんのような方が身近にいて甥として勝手に心強くおもっています。尊敬しています。ずっとそのままでいてくださいね。


追伸、界隈にある京の台所、錦市場のこれまた隠れ家の和食のお店美味しかったです、ごちそうさまでした。

つづく。