つれづれるままに

日記の部屋 (〜12/20)
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2008年12月20日(土)
開設10年
昨年くらいからインターネット、ホームページを見ました、
といってご依頼くださるお客様が増えています。
とても嬉しくおもっております。ありがとうございます。

きょう、お見えになった方は上の塗りもののお膳の修理で、姫路から少し離れた佐用町からお越しくださいました。

手にとって拝見すると細部、所々に傷みがきていました。




すっきり修復させていただきます、しばらくお時間を頂戴します。
遠いところを足をお運びくださって誠にありがとうございました。




わたしどもの生業、「漆塗り」は完全アナログ仕事、
電動工具すらほとんど登場せず、せっせと箆(へら)を持ち、研いで塗って、 
と「手」が主役、まさに手工業ですが
お客様と直接ではないにしろまず情報を繋いでくれているのが二進法の信号、
これがいまという時代。
科学というすごい代物。

カチャカチャ、ポンとup、ほぼ同時に世界中から見ていただける。
実際アクセスログを見ると海外からのアクセスも頂いているようです。


科学文明や技術進歩は戦争か猥雑なものが原動力だそうですが、
進んで、さらに進んでも
結果、人が喜ぶつかわれかたをしないと徒為におわってしまう。


人間だから到達できるその先にあるものは何か、

と考えると、けれどどうしても悲観的な想像をしてしまう自分は同時に、
家族や身近な人との普通の関わりや笑顔にしあわせを感じ、それが永遠たれと願っている。

きのうは人の矛盾を謎だといいながら
わたしも矛盾しています。


2008年12月19日(金)
きょうは脱線です。

わたしには仲良くしてもらっている、アニキとか兄さんって呼びたい人生の先輩が何人かいますがそのうちのお一人は料理人です。

とても「自分」を持っていらっしゃって尊敬はもちろんですがざっくばらんな意味でなにか同じ匂いのするひとで勝手に親近感も感じています。加齢臭のことではありません。


時々誘ってくださるのですが先日、お店で使う水を汲みに行くんやけどどうや、と電話を下さいました。
彼はお店の、洗い物以外はすべてわざわざ往復100キロ超の道のりを越えて汲んでくる天然水を使っています。
ちなみにそのお店、おおきくは居酒屋、です。
そんなことまでこだわってはる居酒屋さんを聞いたことがないです。料亭っていわれるところでもどうでしょうか。

それでしかも彼は毎回その水源地の掃除をもう何年もされてます。仙人ですかあなたは。


ここで想像してください、なぜゴミ拾いが必要か。
こだわりの料理人が選んで使っている天然湧き水、お察しのとおり人里はなれ谷を走りようやく辿り着くといったところに、ゴミが落ちている。毎週行っているのに毎回なにがしか落ちている、
誰か捨てている。

素晴らしい水、自然の産物、恵みとまで言っていい、それを分けてもらいに行っている人、
が捨てているという事実。
これを矛盾と言わずして、、、 です。


スキーヤーが暖冬を望むようなもの、
サーファーが防波ブロックを置くようなもの、


ちゃいますか、これは。

わからないことが多いこの世界、そして人間ですが、うーん、、なんでやろう。


その日はじめてのわたしは、にもかかわらず’幸運にも’大物を見つけてしまいました。

クルマのバッテリー。

希硫酸と鉛(!)でしたっけ。


「ニイサンコレナンスカ?ボクニハバッテリーニミエマスガ。。」

「ォゴェ!!・・・」

兄さん固まっていました。


うーん、なんでやろ。。


人の所行をよそにずっと流れる清流と四季、
川石は氷を見せてくれていました。



おいしい空気を吸った二人とゴミとバッテリーを乗せて家路に着きました。


2008年12月18日(木)
平成二〇年度祭り風景その2
ことしは久しぶりに甲八幡神社の秋祭り本宮に行きました。
宮は山の中腹、長い登り道には急勾配もあります。わたしなどふつうに上がるだけで息が切れます。
そんなところを屋台を担いで上がる、坂のある祭りはほんとうにすごいとおもいます。

右の山に赤く大きな鳥居が。クリックで拡大します。

しかしもう祭りがおわって2ヶ月が経つんですね、早すぎます。

2008年12月17日(水)
一品製作
画像はアクセサリー、
妻鹿の好事家の御仁がご自身でデザインされ錺り(かざり)金具師に製作を依頼、完成したものです。幅約35mm。


薄肉彫りと高肉彫りの間くらいとのことですが厚さは3mm、手にするとけっこう重みとボリュームがあります。


そのお方は一年中祭りが体に染みこんでいらっしゃるのでしょう。出来栄えに嬉しそうにされていました。

さて、これを製作された金具師さんは谷口秀作さんといい畠は違いますが職人の先輩です。新しいことを、とこのほどブログを立ち上げられました。

http://blogs.yahoo.co.jp/cho_kinkin

金具の裏話も垣間見せていただけそうです。
谷口さん、ご開設おめでとうございます。更新がんばってくださいね。


2008年12月16日(火)
天然漆にこだわっています
11月下旬からの外仕事はまさに屋外の仕事で、それに合わせて年末この時期恒例の夜のおつきあいが連なったこともあり少々体調を崩しておりました。
寝込むことはありませんでしたが子供のサイクルに同調させるかのように「早寝・普通起き」のここ数日。単なる風邪のようですがすっきり治らずグズグズしています。
家族がうるさいので医者にも行きましたがおもったとおり大して変化がないです。風邪にはクスリよりやはり栄養と睡眠が正解のようです。

不調話はこれくらいにして、きのうよりまた職場での作業に戻っています。

画像は先日木地が完成し漆塗り作業に入った仏檀です。


まず最初の工程、刻苧(こくそ)です。

苧(そ)は「からむし」といい、繊維のことで
刻苧となると、木の挽き粉と米糊と生漆を練り合わせ、Vの字に筋彫りした木地の継ぎ目に埋めて補強していくことです。
これをしないと塗り上がり後境目が出てきます。

戸(扉)もおなじように、


裏面も押し込んでいきます。

それが固化するのを待って余分を削り(刻苧磨き)、木地自体も磨き(木地拵え)、木固めにすすみます。
木固めは木地に直接生漆を展ばし含浸させます。

全部材が木固めのときの画像を撮り損ねました。
一番左の茶色の部品(支輪:しりん)が木固めの工程です。台の引き出しが入る部分にもまだその色が見えます。

木固めは木地を丈夫にするとともに、後の漆の喰いつきも良くなります。

そして布着せ。

うっすらと布目が見えますか。この画像は布着せのあと一辺地付けが終わっています。
布着せも補強の理由がありますが、塗り上がり後に木目が出るのを防ぐのも目的です。


戸に一辺地付けをする父、弘征。


上台・台・脇板・向板(むこういた)・引き出し、、
すべて堅地による下地です。

通常下地は化学パテや吹き付けのサーフェーサー、大面積の部分にはそれすら省力化するためボードが使われるといったことがいまの仏壇づくりには多いようです。
そんな仏壇はずっしり重い。
この大きさでなんちゅう重さや、ということが仏壇をお預かりするときによくあります。

手作り・天然材料を標榜する仏壇店でも下地はほぼ胡粉地(ごふんじ:カキの貝殻の粉末と膠を練ったもの)・膠地(にかわじ:砥の粉などと膠を練ったもの)、
そこをわたしどもは総堅地、天然漆の下地にこだわっています。

長い目で見たら漆に勝る材料はありません。
水分・酸・溶剤にも耐性を示し、修理・修繕も容易。
しかも環境にもノーインパクト。
塗り上がりの肌合いの上質さは衆知のとおり言うまでもありません。


さてこれからしばらく下地を重ねていく工程がつづきます。


2008年12月12日(金)
続:だんじり
村廻り記3について感想のメールを何通もいただいています。何分遅筆なもので、こんなふうに反応をいただけると励みになります、ありがとうございます。

また多くのご応募を頂いたカレンダープレゼントに際しての「一言」もじっくり読ませていただきました。
いただいたご質問等についてはあらためてご返信申し上げます。

来週中ごろまでにはお手元に届くように発送いたします。
ご当選の方はもちろん、恐れながらこのたびはお目当てのものには外れたという方にもなにがしか粗品はお送りすることにしています。
応募したのに何も届かない、という方はご連絡ください。メール等の手違いの可能性があります、よろしくお願いいたします。


さて「村廻り記3」のさいごに掲載しただんじりについて、
当の村の方から注釈のメールとともに画像をいただきましたのでこれもご紹介します。
以下のとおりです。


「・・
少し詳しくご説明しますと屋根の部分が前方ではなく後方なんです。
で、前方にあるスペースに祭り当日は保育園児〜小学校4年生までの児童が交代で乗り、残りの児童が綱で引っ張ります。
後、下の格子の隠れた部分には、車同様ハンドル・ブレーキがついており子ども会の係りの方が運転手として運行中乗車されています。
屋台同様、乗り子が4人乗り(小学5年生)太鼓を叩きます。
当村は、小学6年生が乗り子として屋台に乗る為その準備段階としてだんじりの乗り子になります。

このだんじりが製作された経緯には、屋台運行のみの祭りでは子供が参加しにくいとの意見のもと子供も楽しく参加できるようにとの村の方の配慮だと伺ったことがあります。
祭り当日は屋台・だんじりと2台連なっての運行は外村にない勇壮な光景ではないかと自分は思っています。
正に村全体をあげた祭りではないでしょうか?」

(画像クリックで拡大します)

なるほど、老若男女祭りをたのしめるように、なんですね。素晴らしいことだとおもいます。
中に運転席、とのこと、ここもとても興味深いです。
訂正くださってありがとうございました。

こんごともよろしくお願い申し上げます。

2008年12月9日(火)
土着(どちゃく)
前回の更新のあと、遠方へのご納入や出仕事で間が開いてしまいました。

それで、というわけではありませんが村廻り記3をがんばって先ほどupしました。予想以上に好評を頂いていて、早くせねばと気になっていました。
よかったら見てやってください、こちらです。


さて遠方とは大阪だったのですが、合わせて別件で香芝まで行ったのでせっかくなのでさらに少し足を伸ばし橿原は今井町を訪れました。
古い町並みで少し有名です。


はじめてだったのですがとても感激しました。
かなりの範囲でご覧のような家並みが広がっています。
雨ということもありじっくりは見られませんでしたが、
その情緒や風情にすこしとはいえ触れただけで、建築基準法や都市計画云々の法律の存在にあらためて懐疑的になってきます。

「安全・安心」はもちろん優先されるべき、
けれどその引き換えに日本人の日本人たるところ、心の根に近い部分を放棄している気がします。
こんな路地が日本全国にあった頃、身内殺しや幼児への悲惨な犯罪は今ほどあったでしょうか。

「防災」と引き換えに思いもせぬ、そしてとても重大な
「心の崩壊」にすこしつながってやしないでしょうか。


2008年12月4日(木)
選ばれる喜び、責任
「姫路近隣のほとんどの仏壇業者に実際足を運び仏壇を見て廻ってきました。」
そのお客様はおっしゃいました。


砂川仏檀店には在庫がありません。
唯一有る、作業完了して納品を待つお仏檀、
あとは実際わたしどもの先祖を祀っている仏檀、
たったそれだけが見ていただける完成品です。
それを前に、続けて
「これより良いものが無かった。」と言ってくださいました。

そして、 「良いお仏檀をつくってください。」と。

職人として、塗師としてこれ以上の喜びはありません。


下地から上塗りまですべて天然漆による塗り仏檀。

もう巷では全く無い、と言っていいほどのこの道は、
けれど決して無くなりません。わたしは信じています。
だからこのたびのようにそれを望んでくださるお客様にこころから感謝いたしております。
有り難うございます。


さあ、こんどはわたしどもが物造りを通じてお客様に喜んでいただく番。

その想像をすこし超えるお仏檀を
誠意と、今の精一杯の技術で造り上げます。
ご期待は裏切りません。


先日木地師から木地を引き取ってまいりました。言うまでもなく天然木の手造りです。
これからいよいよ漆塗り作業に入っていきます。
期間を要しますがまずは完成までどうぞ宜しくお願いいたします。



2008年12月2日(火)
松葉
「彫刻、塗り箔比較」に画像を追加しました。
こちら


先週から出仕事に行っています。予定では来週一杯。
本当の極寒になる前に仕上げたいとおもっています。

2008年12月1日(月)
四神露盤彫刻
昨日、正八幡・御立の露盤彫刻をお預かりいたしました。
奇しくもすでに作業に入っている重国の露盤も同じ題材です。

同じ年に同じテーマが二台。おなじ彩色にはもちろんできません。
文献や資料を吟味しながらじっくりと、今はまだぼんやりしたイメージを工程を経ていくうちに煮詰めていこうとおもっています。

彫り師さんは岸和田の木下さんとお聞きしています。