砂川仏檀店

最高級漆刷毛
「泉清吉(いずみせいきち)刷毛」、
一括導入。

伝統工芸である漆塗りには刷毛(はけ)が欠かせません。その最高峰が『泉清吉刷毛』です。

吟味された毛を使用されていることからの適度なコシや、その独自製法による均質さ、漆の含みの良さ、更には木材として最高級の木曽檜(ひのき)を使用した外板の手へのなじみの良さ。
それらから導かれるのは、塗りやすさです。
 

さて、漆塗りの大敵は埃。時間を掛け丁寧に漆を塗り上げた後、塗り面に付着したフシ(埃・チリ)を、鳥の羽や手製の竹串等で一つひとつ拾い上げることが不可欠です。
さらに拾い上げなければならないのは、刷毛から出るちぎれた毛。
この点でも泉清吉刷毛は優れていて、毛のちぎれが殆ど起きません。
 

そして、ここが大事なのですが(ともすると一番)、優れた一級の道具を使う心地良さと自覚が、我々職人の意欲を向上させてくれます。
 

このたび砂川漆工芸では、その泉清吉刷毛を、寸法を変えてひと揃え致しました。
 

新たな意欲をもって、さらなる『心晴れやかにする輝き、しんと落ち着かせる深み』を目指します。
 

三六五年前の明暦二年(1656年)、将軍家綱の頃、「人毛を使えばきっと良い漆刷毛ができる」と考えつき、江戸詰め仙台藩士の刀を捨て漆刷毛師になった初代泉清吉。
「すばらしい塗り味だ」と日本中の塗師の評判を得て将軍家より御用提灯を賜り、以来、我が国の漆刷毛は人毛使用、鉛筆型の現在の形が出来ました。

名匠と言われ、日本各地の博覧会で数百の金銀牌を受けた、明治・大正の七世泉清吉。
そして、黄綬褒章受章、選定技術保持者の認定を受けた、昭和の八世泉清吉。
その次男、平成の九世泉清吉。

昭和二十五年東京文京区生まれ。正統派・江戸伝統技術を維持し、平成七年ポーラ伝統文化賞受賞、平成十年、文化庁選定保存技術保持者認定。平成二十六年読売「あをによし賞」奨励賞受賞。

その作り方、作る材料も「伝統を維持して」の初代泉清吉流。
江戸の昔と全く同じ時間と手間をかけています。

他のような塩素薬品の毛洗い、押し切機の毛束切断、日にちずらしの毛固めなどアレンジは一切拒否。
最後まで江戸伝統技法を守る堅い信念をもち、一枚の漆刷毛といえども
心魂を傾け全力で作り続けています。

この漆刷毛を手にする方は、同じく理想の光を追い求める求道者と思います。
この泉清吉刷毛が、作品や製品のお役にたてば漆刷毛師として本望です。

どうぞ、わたくしの漆刷毛をお使いになってみてください。

漆刷毛師 九世 泉清吉