私信

怒涛の二カ月

 

一カ月半開いてしまいました。

公私要件が集中していました。

 

京都行き。

帰りに乗せたオランダ人ヒッチハイカー、アリスター☆

屋台文化保存連絡会、総会手伝い。

船場小学校PTA総会・理事会等。

PTA歓送迎会。

初出場、雨の消防操法大会。

曽根南之町屋台部、説明会。

船場小学校運動会。

おもだった行事、それぞれの準備等も含めるとなかなかのボリュームでした。

 

もちろん漆塗りの仕事も鋭意進めております。
公の用事で抜けた穴は夜なべして埋めてます。
日曜旗日も休まず手を動かしています。

次回は仕事の進捗を紹介させて頂きます。

 

では消防の水防訓練に行ってきます。
(頼まれたら断れない・・・)

 

私信

消防、操法大会

 

前も書きましたが、
去年から地元消防団に入りまして、ことしは標題の操法大会があります。2年に一度らしいです。

今年度は本業が立て込み、大会出場は遠慮させて貰いたかったのですが、齢45、次回は更にオッサンになるので今より若いときはない、というのと、メンバー構成的にも断れないようになり、選手になることになりました。

 

2月下旬より、週二回、夜に集まり練習をしています。

なかなか大変です。
・・、泣き言はやめときます。

 

いやぁ、なかなかの文化ですね、操法って。

先輩曰く、ロボットになるんや、と。笑

確かにYouTube の動画などを見ていると整然とした動きはまるで機械のようです。

動く前後には一度「気を付け」をする、とか、そんなことより早く水を出した方がいいように思いますが、これも歴史あってのことで、全て意味のあること、のちのちに活きてくることなんでしょうね。
泣き言はやめときます。(二回め)

 

練習を始めて一ヶ月半が経ち、大方全容を把握出来てきました。覚えれば覚えるほど、なるほど、少し楽しくなってきます。

先輩曰く、
大人の運動会や、めちゃ楽しいがな、出れるんうらやましいがな。

どうぞ出てクダサイよ、とも言えず。笑

いえ、ほんと出るからには、と本気で練習しています。ほんまです。

 

先日は、初めての水出し訓練をしました。

区域内の船場川です。

これが大変でした。

その頃色々重なっていて少し無理をしていたのと、寝不足で体調万全ではない日々でして、水出し訓練ということで下半身がびちょびちょに水浸しになってしまい、

あっというまに悪寒。

皆さんに顔色悪い顔色悪いと言われ出し。立ってられないくらいフラフラしてきました。

また寒い日でして。

詰所に戻ってからの片付けもこらえてもらって、自転車を押して帰りました。自転車乗って受ける風もムリな状態。
悪寒アカン(ゆうてる場合ちゃう)

 

家に着き、倒れこみそうなのを奮い起こし、熱い風呂に入って、一晩寝たら治ると息巻いたものの、、

10年ぶりのインフルエンザでした。

次の週4日つぶしました。痛い。

思うに、誰しもウィルスは身体に入るもので、元気なら負けずにやっつけるんでしょうね。このたびは負けました。

はい、泣き言はこれくらいで。

 

仕事がんばります。
(旧サイトの日記調になってしまいました^_^;)

操法大会は5月13日 日曜日です。

 

漆塗り 屋台

裏方の祭り

 

三月も半分を過ぎ、今年お預かりしている屋台の納入まで半年を切りました。
泰然自若、とはまだいきませんが、焦らずじっくり、日々コツコツと進めてまいります。

年度末・年度初めということで外出する用事も多いので、効率的にこなすことが必要です。

元来、頼まれごとを断れない性格で、なんでも受けてきた結果が今。自己責任です。この仕事を生業として23年、今までもなかなかのハードな状況も乗り越えてきました。

気合を入れて、全部を真っ当にやり抜けるように頑張ります。

 

 

さてこの仕事は職場での作業はもちろんのこと、現場の仕事も多くあります。
それは祭り前の屋台蔵を廻らせて頂いての手入れと、祭り当日の帯同です。

自治会や祭典から要請を頂いて、当日屋台に付かせて頂いているのは
恵美酒宮都倉屋台、灘の東山屋台・妻鹿屋台です。

祭りは氏子の皆さまが主役。わたしら職人は裏方です。
もちろん単について歩いているのではなく、屋台の保守点検・緊急時の現場修理が目的です。

 

特に妻鹿屋台は皆さまご存知の胴突きがあるので本当にいろんなことがおきます。

その中でも去年の祭りは経験のないことが起きました。
15日の宮の前で擬宝珠の芯木が折れてしまいました。

おりからの雨。
一番最初に思ったのは、屋根の側に残っている芯木が抜けてくれるかどうかでした。

雨が降って芯木にまで水が回ると膨れて摩擦が増し、擬宝珠を二人で向き合って抱え込んで引っ張っても、なかなか抜けないことがあります。

それに加え、擬宝珠が飛んだので腕で抱え込むこともできません。芯木自体を掴み、引き抜くしかありません。

 

擬宝珠が飛んだまま練場を一周し、潮掻きのところで据えられた妻鹿屋台。

急いで屋根に上がり、抜けるか試みました。案の定、固くなっていて抜けない。
通常、紋の上や総才の上に立ち、抜くのですが、力が斜めからになりびくともしませんでした。

どうやっても抜けない。
仕方がないので露盤の天板の上に立ち、真上から垂直方向に一気に力を込めました。
すると、何とか抜けてくれました。

25年付いてますが露盤の上に立ったことはさすがにありません。
想定外のことが起こるものです。

その時の写真がこちら。とある方から頂きました。

この芯木の赤丸のところを握って抜いたわけです。

そうしているうちに、スペアの芯木をお願いしていた大工さんを含め、連絡を回していた職人衆が屋台そばに集結し、
5分か10分も掛からなかったように思いますが、その場で直すことができました。

 

ちなみに妻鹿屋台には大工さん3人、金具師さん3人、彫刻師、我々塗師3人の10人体制。

何が起きるかわからない妻鹿屋台ですが、付いている職人で大概のことは対応します。宵宮の晩は持ち帰って修理もします。

氏子の皆様のええ祭りのために少しでもお役に立てるということ。

それが我々裏方の祭りです。

 

 

漆塗り 屋台

御幸町屋台

 

本日、飾磨恵美酒宮 御幸町屋台をお預かり致しました。
屋根の漆塗り直しと、付随する各所の漆塗りと箔施工です。

このたびは、屋根鏡・昇り総才は下地を含めて全工程漆塗り新調です。
かといって、下地を木地まで剥離あるいは削り出すというようなことは現実的ではないので、この場合木地自体を触ります。
(下地をめくらずそのままで、旧の上塗りの上に塗りだけを重ねて修復する場合は『塗り替え』と呼んでおります。)

ということで、まずは大工さんによる野地板の張り替え作業からです。

 

こちらは10月下旬、大工さんに搬入時。作業前です。

 

昇り総才を外し、野地板を切削します。

 

野垂木についても新調しますので取り払います。
過去一度だけ野垂木を再利用して野地板のみの張替えで塗り直したことがありますが、通例、野垂木もさらにします。

隅木、軒、水切のみになった状態。
ここから再構築します。

 

野地板を貼っていく様子。

 

昇り総才が取り付けられました。
当初昇りは現状のものを補修して使用する予定でしたが、役員の皆様と協議の結果新調致しました。精度の面、傷み部分の補修の手間、強度等勘案した結果です。

 

露盤受けの部材取り付け、紋木の穴加工を経て木地修復完成、
今朝うちの職場に預かりました。

張りの比較的浅い肩と相対的に伸びやかな印象となっている水切りは横方向に大きく感じられ、珍しい総反りのきれいなラインが、なお一層優美な雰囲気を醸成しております。。

 

これで今年度の全ての屋台のお預かりが完了しました。
季節も進み、朝晩の冷え込み以外は日中は暖かくなり、漆塗り作業が捗る環境です。
腰を据えて、秋まで半年、じっくり丁寧に作業を進めてまいります。

 

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さて久しぶりの更新でした。

確定申告や、いろいろお受けしている地域の役の年度末所用でバタバタしていたうえに、本業も一日でも早く、という作業が詰まっておりました。もちろん前述のとおり漆塗り本番の時節柄、これからも秋まで時間に余裕がありません。

こんかいのHPリニューアルに伴って、この日記ページも刷新、スマホからも更新できるなど便利になったものの、いかんせん無い袖は振れんということで、限られた(ケツの決まった)時間を有効に漆塗りという主体作業に振っていかねばなりません。

とはいえ、心まで余裕がなくならないように。コツコツがんばります。

 

開きがちになるとは思いますが、ほったらかしにはしませんので折に触れ覗いて頂けましたら幸いです。

 

 

 

私信

本分

 

先週はじめに、うちの近所で火事がありまして、遅まきながら消防に入って2年目、初めての現場出動をしました。

結果的には火が出るまでには至らず、事なきを得たのですが、その現場で友人に会いました。

その友人は本職の消防士。

あ、お!、って感じで気づいたその彼の姿は格好良かった。様子を伺っているとどうやら隊長のようで、テキパキ周りに指示を出してました。

もともと立派な体格、その上に本職ならではの防護服や各種装備を満載したその佇まいは本当に格好良かった。

けどそれは表層。

見た目だけでなく、私がそう感じたのは他でもなく、彼の本職のその本分をこなしている姿そのものでした。

本分。それに向き合う姿勢は美しい。

Vice versa.
逆も、真なり。

人にはそれぞれ輝く場所があって、その輝く場所が本分である、と。

それは『呼ばれた場所』。

 

いやあ、ほんとうに素敵でした。

 

漆塗り 仏壇, 漆塗り 屋台

堅地 飛ぶ龍

 

屋台屋根の漆塗り。
木固めのあとは、ようやく下地に入っていきます。


生漆(きうるし)。

ウルシノキから採取した漆からゴミをとったものです。

先日のNHKプロフェッショナルで放送されていた日光東照宮の現場も全てこちらの漆でしたね。京都の堤浅吉漆商店さんのものです。堤さんは漆の精製業者さんです。


経験に基づいて地の粉・砥の粉その他と練り合わせていきます。少々労力が要ります。


練り上がった堅地(かたじ)。
屋台屋根は面積が広いので大量の堅地が必要です。

塗師によって様々な手法があるようですが、うちの漆塗りの下地は全てこの堅地を使用します。(彫刻は除く)

それは、『下地も漆』というお題目のためではもちろんなく、仕上がりや耐久性を鑑みて堅地が一番優れているという判断からです。さらに言えば、歴史がある。

お手軽な化学材料は仮に優れていたとしても、長い時間が経過した時の検証が到底少ない。

コスト削減よりも仕上がりが優先。
それが私どもの姿勢です。

この堅地を、あいだに麻布を挟みながら、ゆっくりじっくり20層以上重ねていきます。
ここまではガマンの日々ですが、ここからはいよいよ進んでいくなぁ、と実感できる工程となり、テンションが上がってきます。

 

さて、まもなくお納めする漆塗り修復のお仏壇。珍しい狭間彫刻が付いています。

中央に対の龍が飛んでいます。

祭りの彫刻を見慣れている目にも、とても良い感じです。

お納めしましたら、またご紹介させて頂きます。

 

 

漆塗り 屋台

前準備

 

漆塗りというと、塗る、というイメージですがもちろんその前に下地が必要です。吸い込みを防ぐ目止めと、『場』をつくるという二つの意味があります。

この下地がとても大切です。祭り屋台の神輿型屋根でいうとこの下地作業が大半です。

 

ですが、この長い下地工程に入るさらに前の工程もこれまたとても重要です。これを木地拵え(きじごしらえ)といいます。

屋台をされる大工さんは少なくありませんが、漆を塗らせて頂いてお納めする段になったら、どの屋台も変わらぬ仕上がりを求められます。

そうするために、うちの漆塗りに必要な条件を整えるよう、大工さんの様々な手法で成された白木木地を、こちらで少し手を加えさせて頂くというわけです。色んなところに経験に基づいて留意点があります。

 

いま神輿型屋根は3台預かっておりまして、姫路の職場の二台は木地拵えが完了しました。


向かって右は高丘神社辻井屋台。刻苧(こくそ)まで、左の魚吹 津市場北屋台はようやく木固め(生漆を吸い込ませる工程)まで来ました。

とにかく長い長い道のりです。

 


こちらは夢前コウバ。
西細江屋台の木地拵えの真っ最中です。

 

連日の冷え込み。独りで延々黙々と続く作業。

禅寺の雲水さん、くらいの心持ちです。
(雲水さんゴメンなさい)

 

漆塗り 仏壇

進捗

複数のご依頼が同時進行しています。

 

昨年来修復作業を進めておりますお仏壇、


漆の上塗り完了から、蝋色(ろいろ)と呼ばれる磨きの行程に順次入っております。


蝋色とは、塗り上がり硬化した漆の表面を炭(油桐)で一旦研ぎ下ろし、再度漆を延ばす・磨くを繰り返して、鏡面仕上げにする手法です。手間はぐんと増えますが、艶やかな肌となります。


宮殿(くうでん)の屋根は金箔押しが終わり、作業完了。とても煌びやかに上がっています。


各段周りも上塗り・蝋色のあと蒔絵も仕上がっております。

来週以降順次組んでいきます。

 

 

祭り屋台も少しずつ進んでいます。
屋根本体もさることながら、今日は各部材のご紹介。


こちらは津市場北屋台の斗組。下地の盛り上げ、研ぎ、漆の中塗り上塗りまで進んでいます。下に修復中のお仏壇の宮殿柱が見えます。巻き下げの彩色も完了しています。


この大量の斗組は曽根南之町屋台の腰組のもの。ケヤキなので、まずは木目の研ぎ出し作業です。なにせ数が多いので、しばらく続きます。


曽根南之町屋台屋根本体は水切り角を保護する部材を付け、木固めをしました。

 

木固め とは、白木の木地に生漆を吸い込ませ、堅地(漆による下地)を重ねていく素地を作る工程。

堅地の食い付きを良くするのと、もうひとつ役目があります。

漆は塩気等があると硬化しません。この木固めをすることで、塩気や汚れなどにより、漆の硬化しないところをあぶり出します。その硬化しないところだけ色付きせず分かるのです。

もしそんな箇所がある場合は木地の表面を鉋等で一皮削り、硬化するようにします。

 

漆をうまく硬化させる。

これは塗師にとって基本であり、本分です。

 

 

私信

冬空

またまたラッキー。

コウバのホイスト、下まで行かないんですが、曽根南之町の屋根を、斗組と井筒を外した状態で下ろそうとしたら、ちょうどピッタリ下限で床に届きました。

助かります。

 

さてコウバの外は雪がチラチラ。
北の方角を見ると雪雲、奥の方の山は白み掛かっている様子。

近くの夢前川は凍り始めてました。

一方、南の姫路方面は青空。

姫路の職場から見た北の空。

連日よく冷えてますが、ことしはまだ積雪はありません。
姫路はほんとに住みやすい良いところです。

 

漆塗り 仏壇, 漆塗り 屋台

偶然

一昨日の月曜日、あらたなお仏壇をお預かり致しました。修復のご依頼です。

いわゆる『せんだく(洗濯)』というお仕事です。
まずは一度完全に分解し、溜まった埃や汚れを落とします。その後、傷んでいるところを修復し、適宜漆塗りや金箔押しを施し、再度組み立て。お仏壇がサラのように蘇ります。

本年度はおかげさまで、多くの漆塗りのご依頼を頂戴しております。
悠長にしている暇はありませんので早速ばらします。

このたびの仏壇は、扉等、外装は漆の塗り直しが必要ですが、宮殿(くうでん)や彫刻を含め、内側は汚れ落としと小修理で済みそうです。
お客様がご希望の春の完成にうまく間に合いそうです。

 

さてうちの仕事には、そんな「うまくいく」というような、ちょうど都合の良い偶然がよくあります。

ほんの一例ですが、職場の寸法。祭り屋台の漆塗りにぴったりなんです。

店(職場)の建物の幅は5mほどですが、祭り屋台を2台並べて作業するために、どちらもうまく回転させるのにちょうどピッタリの寸法。あと5センチ狭くても回せません。広い分にはいくらでも良いように思いますが、湿度温度をうまく管理するためには少しでも狭いほうがいいのです。そんな風に見るとうちの職場(オモテ)は祭り屋台2台分にちょうど図ってこしらえた室(ムロ)のようです。

 

お越し下さったことのある皆様はよくお分かり頂いていると思いますが、こんな感じです。

こんな感じなんですが、この白木屋根の左の総才端を見てみてください。


隣の屋根の野地板とのクリアランス、1センチほどしかありません。

ほんとに助かります。たまたまのことです。
右の屋根が高かったり左の屋根が低かったりして当たるとなれば、再度屋根を起こし噛ましている台を外し、加工しなければいけません。

ほかにも部品を入れるセイロに部品がちょうど隙間なくピッタリ収まったり。まあこれは、尺貫法によってそうなってくるだけのことかもしれませんが。

 

とにかく、あぁラッキーってことに恵まれています。
いろんな助けられていること、小さいことにも気づき感謝していきたいです。