漆塗り 仏壇, 漆塗り 屋台, 私信

春皐月、進捗と少しご報告。

 

風心地よく、山に目をやると若葉の瑞々しさが飛び込んできます。良い季節となりました。

 

3月4月と少し慌しくしておりました。と言いますのも、本業の傍ら、2年前に入会させて頂いていました姫路商工会議所青年部(http://www.himeji-yeg.com/)という団体でこのたび役を拝命しまして、その年度初めが4月ということで、1年分の企画立案・準備折衝等で奔走しておりました。

かつて所属しておりました40歳までの青年会議所(JC)とはまた別の団体ですが、街づくりやボランティアという面では少し似ています。

青年会議所の折も、職人としての主体作業は確かに少し横に置かないと出来ないような一面があり、正直中々大変だったんですけれども、地域のために人のためにという部分は常に心にあるほうでして、あれから8年そろそろまた誰かのお役に立てるならと大役を引き受けた次第です。

 

1年間担当させて頂く委員会のテーマはずばり『我が国、日本』にしました。日本の文化と精神を学びます。

その活動の中で、かつて開催したような職人が集まる事業(イベント)も出来たらなと目論んでおります。

何とか実現できるように精一杯頑張ってみます。折が来ましたらご報告させて頂きます。

 

 

さて、コロナ禍が続いておりますがお陰様で私どもは手が空くことなく日々漆塗りをさせて頂いております。

この時勢にとても有難いことだと感謝しております。

目下6件のご依頼を進めております。

 

店先は屋台屋根二台、福崎西治屋台と御着深志野屋台です。

毎度のことながら、屋台と一言で言えども、大工さんによって様々な趣向の違いがありまして、飽きることなく造り手さんの描いた理想のラインを追求しつつ、工程を重ねていっております。

 

二台揃って木地拵え(補強)が終わり、現在下地を重ねていく工程です。

 

 

こちらは二階の職場。

屋台の各部分が概ね仕上げに近づいております。順調です。

 

 

 

職場での仕事とは別に、屋台蔵での出仕事も承っております。

こちらは隅木の補修。

伊達カンの金具を留めるビスの頭が飛び、外すのに木を抉ってされたとのことで、その修理です。

埋めるだけなら手前でも出来るのですが、強度を伴う部分だということで吉田建築の棟梁にお願いしました。

さすがの本職、しっかりした埋木のみならず、隅木と金具のわずかな隙間を薄い板を追加することで詰め、以前より格段と取り付け強度が増しました。

 

 

出仕事もう一件、こちらは錺金具メッキ新調に伴い、屋根鏡の損傷部分の漆塗り補修です。

写真は作業前。都合10回ほど通い、直します。

 

 

新たにお仏壇の修理のご依頼も頂戴しました。

浄土真宗大谷派(お東さん)、内間のお仏壇です。
[内間(うちま):脇板のの寸法が中(まなか/一間の半分/三尺一寸五分)]

ゴールデンウィークの連休中にお預かりに上がりました。

 

 

きのう早速分解し、まずは洗浄です。今朝の様子。

 

 

 

いまだ落ち着きの見えない世相ですが、我々職人はこつこつと手を動かしますと自ずとフラットになります。

自分の本分を見据え、歩みます。

 

例の少年もまだたまに覗いてくれます。実の子らが大きくなってしまったオッサンの癒し。