漆塗り 仏壇

先人の技と知恵

 

お仏壇のお話です。このたび、とある狭間彫刻を仕上げました。

 

平成23年(2011年)、ご注文を賜ったお仏壇。

寸法・仕様ともに誂えで、上等な姫路仏壇でしたが、狭間彫刻も飛び抜けてこだわりました。その頃当店で所蔵していたかつての銘品がありそれを現代の職人に依頼し、寸法を変え模刻してもらいました。

その銘品を目の前に、同じように彫って欲しいと依頼したのは現在播州彫刻師の中でも活躍されている大木光師です。
彼は見るなり、どう彫り進めるか見当がつかへん、と唸りました。

 

それがこちらです。

木地は二層からなっているとはいえ、接いでからですのでいわゆる丸彫りです。
通例、祭りものであれ仏壇用であれ、彫刻にはあとから継ぎ足す『付け木』が一般的です。
けれどこれは別。

彫刻の中に「生え」ている松は、根元から枝先の葉まで、本当の木のように幹・枝振りが継ぎ無く連なっています。

 

大木師曰く、「どこからどう彫り始めるかも含めパズルみたいなもん。どう進めたらノミが届くか。」

依頼後、しばらくは工程を読み解く思案で終始したとのこと。
苦心の末、独自のアレンジも入れながら見事に彫り上げて下さいました。

施主様との話し合いの中、なかなか無い彫刻、いきなり塗ってしまうともったいないということで、ハナから材は檜(ひのき)、仕上げもぐるりを金鈖で仕上げる以外、メインになる部分は白木をそのまま活かしました。

 

当時の新聞にも取り上げられました。

 

 

あれから8年。

このたび施主様より、「白木も十分堪能したからそろそろ金置いてか。」とご依頼を頂戴致しました。

精緻で繊細な彫り。木が木のまま再現されているということは枝先は‘揺れ’ます。

漆塗り・金箔押しにも通常の彫刻以上に難しさが伴いました。

 

全て金箔ではなく、かつての金鈖を残すことで単調にならないように仕上げました。

 

 

模刻でも大変だった彫刻。
かつての銘品を彫られた職人さんに頭が下がります。けして名を馳せた方だとは聞いておりません。

昔の職人のレベルの高さに尊崇の想いです。

 

 

このお仏壇の詳細画像はこちら、
http://www.urushinuri.com/butsudannurihaku.htm
( 旧ページです。)