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刻苧3

ご飯をすり潰して作る糊、続飯(そくい)です。

『弁慶の続飯』という話しがあります。

あるとき牛若丸と弁慶は続飯を作るよう命じられました。力持ちの弁慶、容易いとばかり、お櫃いっぱいのご飯を大きな板の上にひっくり返して、大きな箆(ヘラ)練り、またたく間に大量の続飯を作り上げました。

豪快に糊を作る弁慶、
一方少しずつのご飯を一粒ずつ力を入れてつぶす牛若丸。

さて、出来上がってから使ってみたら弁慶のものは練りが足りず、ところどころに米の粒が残り続け、使いものにならなかった。

対して、牛若丸の方は着実に米を練り上げ、粒が残らないキレイな糊が完成しました。

何事も「こつこつ」が大切、と伝える故事です。

 

刻苧を練っているとき、このことをいつも思い出します。

それと、もうひとつ。
続飯を作るには結構腕力体力が要ります。このあと延々と続く堅地(かたじ)づくりの腕慣らしになっています。

 

さあ、続飯と諸々を混ぜ、最後に生漆を練り込みます。

このあともう一工夫を加えます。

 

出来上がった刻苧を屋根木地の割れや野地板の継ぎ目に付けていきます。

ここも、もちろんこつこつ。

いえ、漆塗りは全部こつこつ。
ひとつの工程を丁寧に着実に。仕上がりに関わりのない工程は何ひとつ無いのですから。

急いでろくなことはありません。