総社神輿金具画像集(08/11/15、姫路総社例大祭)

蕨手(わらびて)。
洗練の造形、絵。
龍の浮き立ち具合、そのうえで地の平面の保持。 ちなみに一体式(箱)です。つまり釘穴が無い。
通常は平物を各面分けて釘打ちします。 



魚子(ななこ)はふつう何個かの粒が並んだ鏨(たがね)を用い、それを並べていくようにされるようですがその鏨の継ぎ目(境目)を感じさせません。
特別のものは一粒一粒の鏨で、と聞いたことがありますがあるいはそれでしょうか。



胴の塗りは明治の新調のままとのことですが、下地がしっかりしているとおもわれます。
塗りの浮きが見られません。



板瓔珞(いたようらく)。
複雑でないものこそ出来不出来がよく出るといいますが、いかがでしょうか。


板瓔珞の上の框。
素晴らしい立体感と整った紗綾模様。



欄干も総金具です。



勾欄欄干、男柱。
こうなると圧巻です。下にさらに拡大画像、


左の菊の花弁に注目されたし。
地の金具の意匠の、さらに細かい余白にも魚子打ち。


棒端(ぼうばな)金具。
地金の分厚さも良くわかる一枚。
それをここまでたたき出されています。 ・・。 もう言葉が思い浮かびません。



明治24年製作、神輿全体図。 屋根は六角です。

 七五三のお参りの方で賑わっていることもありこの神輿をじっくり見られている方は無く、
わたしひとりだけ写真をとったり凝視したり、かなりの時間傍から離れられませんでした。
わたしもこんな凄みのある仕事をしなければいけないと、いまの立ち位置と目指す先とのあいだの道程のながさにいささか疲れてしまいました。
 ですが一歩ずつ。凡人は志を持って、姿勢を正すのみです。
半端ではいけないと再確認した秋の一日でした。



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