漆塗り 仏壇, 漆塗り 屋台

偶然

一昨日の月曜日、あらたなお仏壇をお預かり致しました。修復のご依頼です。

いわゆる『せんだく(洗濯)』というお仕事です。
まずは一度完全に分解し、溜まった埃や汚れを落とします。その後、傷んでいるところを修復し、適宜漆塗りや金箔押しを施し、再度組み立て。お仏壇がサラのように蘇ります。

本年度はおかげさまで、多くの漆塗りのご依頼を頂戴しております。
悠長にしている暇はありませんので早速ばらします。

このたびの仏壇は、扉等、外装は漆の塗り直しが必要ですが、宮殿(くうでん)や彫刻を含め、内側は汚れ落としと小修理で済みそうです。
お客様がご希望の春の完成にうまく間に合いそうです。

 

さてうちの仕事には、そんな「うまくいく」というような、ちょうど都合の良い偶然がよくあります。

ほんの一例ですが、職場の寸法。祭り屋台の漆塗りにぴったりなんです。

店(職場)の建物の幅は5mほどですが、祭り屋台を2台並べて作業するために、どちらもうまく回転させるのにちょうどピッタリの寸法。あと5センチ狭くても回せません。広い分にはいくらでも良いように思いますが、湿度温度をうまく管理するためには少しでも狭いほうがいいのです。そんな風に見るとうちの職場(オモテ)は祭り屋台2台分にちょうど図ってこしらえた室(ムロ)のようです。

 

お越し下さったことのある皆様はよくお分かり頂いていると思いますが、こんな感じです。

こんな感じなんですが、この白木屋根の左の総才端を見てみてください。


隣の屋根の野地板とのクリアランス、1センチほどしかありません。

ほんとに助かります。たまたまのことです。
右の屋根が高かったり左の屋根が低かったりして当たるとなれば、再度屋根を起こし噛ましている台を外し、加工しなければいけません。

ほかにも部品を入れるセイロに部品がちょうど隙間なくピッタリ収まったり。まあこれは、尺貫法によってそうなってくるだけのことかもしれませんが。

 

とにかく、あぁラッキーってことに恵まれています。
いろんな助けられていること、小さいことにも気づき感謝していきたいです。