漆塗り 屋台

布着せ

 

過去何度か、少し触れたたことのある「布着せ」についてご紹介します

 

漆塗り、は塗りの前に下地が必要です

下地はその求められる仕上がりや強度に応じて、仕様や回数を変えますが
最も工数の多い下地が、神輿型祭り屋台屋根鏡です  実に約20層

本来の下地の主な目的は目止めですが、

その20層もの下地にはあと2つの大切な意味があります

シルエットづくり と 強度 です

布着せは特に、その強度に貢献します

神輿型屋根鏡は通常10枚の野地板によって構成されていますが、その全てに跨るように布を着せる(貼る)ことにより、別々の板をひとつにする、という考え方です
通例4回布着せを施します

 

その4回目の作業時の様子を写真でご覧いただきます

まずはそれまでに重ねた下地(堅地:かたじ)を一旦研ぎます
(ここまでに幾重の堅地と三回の布が重ねられています)

チョークの丸や線は、高いところ低いところの印です

 

何度も下地付け(補完)→ 研ぎ を繰り返し、

きれいな面をつくっていきます

 

大方整ってきた様子

光源を映し込み、表面の据わりを確認します

この段階でのある程度のゴールが見えてきたら、布を段取りします

一度水洗いします  柔軟になります

出来るだけ大きな裁断で臨むことにより、継ぎ目を出来るだけ少なくします

このように真ん中で合わせます

 

つぎは糊漆づくり
米粉餅粉を独自の配分で混ぜ、糊を拵え、

 

生漆(きうるし)と練り合わせます

麻布・糊・生漆、すべて天然材料です

 

祭り屋台はとても大きいので、つくる糊漆も大量です
今回は3キロ弱

 

それでここから布を貼っていくのですが、、 これが難関です
大きな面積を一気に貼るのは簡単ではありません

もたもたしていると糊の水分が飛び、接着不良になります

大変すぎて写真の暇なんてありません  ので、貼り終えた後の様子 ⇓

 

使うのはたった二本の箆(へら)
一気呵成、集中し作業完了  貼るだけで12時間以上かかります

さきほど野地板をひとつにする、と書きましたが、木地の各部品の境目にも必ず布が跨るようにします
そのためには少々細かい精度が求められます
屋根は三次曲面と平面が組み合わさる複雑な形です

赤丸印が布が跨っているところ
こうすることで、そこを起点とするひび割れを防ぎます

 

完全に硬化後、余分ところを切除していきます
これはかなり気持ちのいい作業です すっきり

昇り総才の線は継ぎ目です
一枚の布なのですが、立体なので「足らず」と「余分」が生じます  その跡です

 

ちなみにこちらは三回目の布着せ

理由があって三回目までの布は総才には跨らせません

 

 

いかがでしょうか

こんな感じで、ゆっくりじっくり、下地を重ねていっています

 

時間が飛ぶように過ぎていきます

今週末から早くも屋台蔵の虫干しが始まります