つれづれるままに

日記の部屋 (〜9/27)
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2008年9月27日(土)
テレビカメラ

きのうお伝えしたとおり取材の方々が13時まえに来られました。

屋台の漆塗り作業を撮りたいとのご意向でしたがもうお納めしたので、屋台の幣額の蝋色とその後の箔押しの様子を見ていただきました。

上画像は、まえもっておおまか磨いておいた幣額。
少し残した作業前の部分がツヤを得ていくところを撮影する本番前です。
大きなレンズにさいしょはたじろぎましたが
なんとか箔押しまでいきました。
険しい表情をしているかもしれません。


スタッフの方もアナウンサーの方もわたしよりお若くお見受けしました。
若くして任され、大きな責任を背負って仕事をされ、完結する。
その様子にこちらも刺激をもらいました。

放送は10月9日朝8時35分、NHK総合です。



2008年9月26日(金)
取材

きょうはとある屋台蔵に伺いました。
テレビ番組の取材で、「地域の宝」としてその村の屋台が取り上げられ、
であるならカメラが回る前に屋根にかぶった一年の汚れ・曇りを落とさせていただこうと、
すこし祭り本番にはまだ日にちがありましたが屋根磨きです。
勾欄周りもいたしました。


さてテレビのロケを見るのはこれが初めて。
大勢のスタッフがいてタレントさんがいて、
念入りな段取りであろうことも遠目ながら感じました。
ひとつの番組を創りあげるのはなかなかたいへんそうです。

じつはあすその取材陣が当店にお越しになります。
蝋色(磨き作業)と金箔押しを撮影されるとのこと、
オンエアでカットとならないようにがんばります。
聞けば全国放送だそうで、緊張はもちろんしてしまうでしょうが普段どおりするまでです。
滞りなくいきますように。



2008年9月21日(日)
英賀西濱完成式

5時半起床、用意しているまに雨の音が。
軽トラに乗り込むときには既に本降り。

屋根の最終点検、磨きとまでははいきませんが屋根の埃を払い、付いた手のカタを取りに朝一で西浜屋台蔵に参りました。
降りしきる大粒の雨に下りた決断は式を蔵で行うというものでした。

最終拭き上げがすみ、9時より神事がはじまりました。


滞りなく執り行われたのち直会(なおらい)として、
「弥栄(いやさか)ー!」
の掛け声とともに乾杯がされ、さいごには感謝状を賜りました。
誠にありがとうございました。
今後とも末永いお付き合いのほど宜しくお願い申し上げます。
点検・保守において精一杯務めさせていただきます。
重ねてありがとうございました。

その後空は明るみを持ちだし、屋台が練りだされました。
そのときの練り子の皆さまをはじめとする歓声はまさに「心はひとつ」、といったものでした。

屋台完成の片隅を担当させていただけましたことはとても光栄におもいます。
西浜の皆さまおめでとうございます。

少し大きな画像はこちら

2008年9月20日(土)
屋台磨き

ただいま職場では天満屋台の天井や恵美酒宮玉地の神輿の漆塗り修復作業、各地区の彫刻等の修復作業をすすめています。
そんななか昨日はこの秋一番に屋台の磨きとして大塩中ノ丁に伺いました(上画像)。あす東ノ丁の入魂式にともなって宮に行かれるとのことです。

例年60ヶ村ほど祭り前に屋台の磨きに行かせていただいております。
いままで当店とご縁の無かった村の方でも
長く屋根の手入れをされていないなど、気になられるようなことがございましたらお電話ください。
すでにおおよそ例年通りの予定を組ませていただいていて、
祭りからさかのぼって少し前もっての作業になりますがまだ余裕はございます。
どうぞお気軽にお問い合わせくださいませ。

あすは早朝より英賀西浜屋台の手入れに参ります。
本年漆塗りをさせていただきました。ついに完成式を迎えられます。

2008年9月16日(火)
ようやく

長く休んでいましたこちらのページ、
その間実に一ヶ月。
また徐々に本来あった姿に戻していきたいとおもっています。
ときどき更新のチャンスはあったのですが
そんなときに限って何の不調かネットに繋がらなかったり、
いまは本業に集中しろとの思し召しと、都合よく解釈し
今年のピークを乗り越えました。

とはいえまだお預かりしている品は少なくありません。
毎日更新、はもうしばらくむりそうです。

最新のタウンページをご覧になってお立ち寄りくださった皆さま、
広告に偽りあり、となっていますがお許しください。
懲りずにまた見てやってくださいませ。


こちらは本日TOPページでご紹介した天満屋台の部品、
変わり塗りと螺鈿を施した二種類の框(かまち)。
短冊上に並べた青貝は一辺約350枚、四方で1400枚を超えます。


2008年8月13日(水)
お盆
ひとは人生の最期におおきな仕事をします。
葬儀。
お別れを告げに普段離れて会えない人を集めます。

その意味ではお盆もそう。
ご先祖様に感謝の意を持つのは常日頃のことですが
その気持ちを共にする家族・親族がまたあつまります。


さいきんおもうのは先祖はルーツであると同時に
「自分自身」ではないかということ。
体をもらった。 また心ももらって、育った。
その繰り返し。
寿命のある身体は変われども太古から生きつづけている。
そう考えるとなおいっそう、自分がここにいて
生きていることの不思議と人との遇縁を感じます。

お盆、そんなことを考えつつ
ひごろより畏まって手を合わせます。



ほんとうに暑い日が続きます。
店の職場はこんなことに。

慣れはこわいものでこんな日、夕方が近づいて36度くらいだと過ごしやすくなったな、とおもい
日が暮れて34度を指すと、あ、涼しい、とかおもってしまいます。

皆さまにおかれましてはくれぐれも体調をくずされませんようにどうぞご自愛ください。
残暑お見舞い申し上げます。

わたしどもは元気です。
鋭意、作業にかかっています。


2008年7月27日(日)
塗っては重ねて

今朝は大塩西之丁の勾欄をお納めしました。勾欄新調に伴う漆塗りでした。搬入は父が参りました。

西之丁の皆さま誠にありがとうございました。


平成14年の屋根の漆塗り完成納入の記事は
こちらです。


ようやく漆塗り作業が最終コーナーを迎えている天満屋台ですが
きょうは朝から屋台蔵の虫干しがあったそうで、
午後に祭典委員長の後藤さんをはじめ大勢お越しになりました。

なんとも暑い職場にも上がってくださってありがとうございました。

その天満屋台、
画像は勾欄框、腰の桝組が支える部分です。

ここは変わり塗りをします。
いろいろ模索しつつ、数種類手板を造って試みた結果
決めた塗りプランは下地ののち漆の種類を変え11回塗り重ね研ぎ出し、模様を得るというものです。
きょうはその9層目、丹口の朱漆塗りをしました。
漆塗り作業は日も暮れ店を閉めてからです。

塗り重ねはまだあと2回残っています。
模様が見られる研ぎ出しがそろそろたのしみです。

2008年7月26日(土)
工墨の杜学舎

きょう昼過ぎから表題の皆さんがお越しになられました。
「こうぼくのもりがくしゃ」とは
元文部技官で姫路城昭和の大修理に携わられた
西村吉一さんが主宰されている研究会で、
おもに文化財や古建築、またそれにまつわる技能伝承をテーマに活動されています。
過日西村先生から、漆のことをしゃべってほしいとのご依頼を受けきょうの運びとなりました。

溽暑の中15名近くの方々がご参集になり、
建築関係のお仕事をされている方や、
姫路市役所の建築関係の課の方々が多くいらっしゃったようです。
予定時間が終わってからわかったのですが、
兵庫県立大学の教授をされている方までいらしていたようで
わたしのようなまだ経験も浅い若輩者が、 と少々たじろぎました。
ですがもうあとの祭り、
さきに知っていたらそれこそ気後れしただろう、
といいように解釈しました。


良い経験をさせていただきました、ありがとうございました。


2008年7月25日(金)
肉付き

英賀西浜の下地工程が終わり23日に金具の竹内さんが寄られました。

屋根鏡は二十回を優に越える回数の地付けで鏡の厚さが増し、
自ずと総才の形(幅)が変わります。木地段階の採寸のまま金具を造ると合いません。
それで、下地が終わるともうその形から変わることが無いのでその段階で金具やさんが型を採りに来られます。

人間の体で言うと「肉」が付き終わり、いよいよそしてやっと皮膚、
漆塗りに入ります。
屋台に関しては漆塗りの9割近くは下地作業です。

竹内錺金具の藤本さん。


二階職場では今週末にお納めするお仏檀を組んでいます。





塗りが済み、さいごに待つ蝋色(磨き)工程は
完成の塗り肌になっていくのを目の当たりにできてたのしいものですが、
仏檀にしても屋台にしてもやはり組み立てが一番です。

いままでの長い地中生活から抜け出しやっと日の目を見る蝉の気分とでもいいましょうか。
ものが形を為す瞬間、製造業の醍醐味です。

そして一日二日でお納めする、旅立ちもやはり蝉です。

2008年7月21日(月)
虫干し

TOPページのとおり7月は祭りの有る村では週末ごとに虫干しが行われています。
上は白浜八家屋台蔵前。



虫干しは字のとおり、虫害やカビを防ぐために行われるので屋台に関してはおもに衣装(刺繍)に対してがおおまか本来の目的と言えます。


伊達綱の保護に巻かれていたさらしを取られています。
手前の白い四角は勾欄掛けの裏側です。


彫刻も含めて、漆塗りのされたところは虫害もカビもありませんので
わたしどもの仕事の範囲のことでは
この日は彫刻の枝の欠け・脱落や漆塗り部分の傷みなどを点検するという意味合いです。




八家のふたつの龍の露盤彫刻、手前は平成17年に塗箔刷新で修復させていただいたものです。記事はこちら



生矢神社・亀山の露盤もお預かりいたしました。
数箇所の枝の脱落修理と金箔・プラチナ箔の繕いです。

本日お預かりした露盤・狭間彫刻でうちの狭い店先はさらに狭くなっています。