漆塗り 屋台

屋台漆塗り、最初の一台

 

当店は、飾磨御幸で仏檀屋をしていた本家から、私の曽祖父にあたる砂川重蔵が明治40年に暖簾分けしたところから始まっています。令和2年で113年になります。

 

四代に亘るその歴史において、祭り屋台漆塗り最初の一台としてこのHPの年表には、昭和8年の東山屋台と書かせて頂いています。ところがこのたび東山の方から、その漆塗りの年度が昭和4年でしたとご連絡を頂きました。お聞きすると、当時の帳面が出てきたとのこと。

そのお写真を見させて頂くと、確かに昭和4年のところに

『姫路西新町 砂川重蔵 屋台塗上代』

と書かれていました。そして昭和8年には

『砂川重蔵 調刻彩色祝ギ』(原文ママ)

とありました。紛れもなくそれが正しい年度と分かりました。

 

以前から実は少し気になっていたんです。昭和5年か6年の写真で東山屋台の屋根が塗られていたものがあって、なんでかなと父と話をしたりしていました。

こちらの帳面に残っていた東山さんについてのものが、本当は彫刻の塗箔について書かれていたのに、屋根の塗りだと勘違いをしていたと、こういうことでした。正しい歴史がはっきりして嬉しく思いました。教えて下さった東山のH様、誠に有難うございます。

 

 

さて、東山屋台は過去四度当店で漆塗りをさせて頂いております。

昭和 4年(1929)、初代重蔵、48歳。

昭和43年(1968)、二代目正二、55歳。

平成 4年(1992)、三代目弘征、51歳。

平成27年(2015)、四代目わたくし隆42歳。

それぞれの代で一台ずつさせて頂いているのは東山さんだけです。
大変光栄で有り難いことです。常日頃、心より感謝申し上げております。

 

先日、村の世話人の方に頂いた来年の東山さんのカレンダーは、今年祭りが無かったということで、奇しくも往年の屋台特集。

それぞれの代の顔を想い浮かべながら、とても感慨深く見させて頂きました。有難うございます。

 

 

こちらは今年の虫干しの折の一枚、

(令和2年7月12日)

現行の東山屋台です。

 

 

さて、最初の一台、として東山屋台について書かせて頂きましたが、実は、その前に一台あったと聞いております。ただ、このことには裏付ける帳面や記録がありません。代々の口伝だけです。

昭和のはじめか、もっと遡って大正期か、御津の苅屋屋台を塗ったと伝わっています。

 

ご覧になって下さっている方で、もしこのことについてご存知でしたら是非ご一報下さいませ。どうぞ宜しくお願い致します。